離婚後に親権を得て、子どもを育てる親にとって、養育費は非常に重要な問題です。養育費は、子どもの生活を支えるための資金であり、適切な額を確保することが求められます。ここでは、養育費とは何か、そしてその支払いを確保する方法について詳しく説明します。
1 養育費とは
養育費とは、離婚した夫婦の一方が、子どもの生活費や教育費を支払う義務を負った場合の金銭のことを指します。養育費の額は、夫婦間の協議によって決められることが多いですが、合意が得られない場合には家庭裁判所が算定します。養育費の算定基準には、夫婦双方の収入、子どもの年齢や人数、生活状況などが考慮されます。一般的に、監護親と非監護親の収入比較に基づいて算定されるため、非監護親の収入が高いほど養育費も高額になる傾向があります。
2 支払確保の具体的な方法
養育費の支払いを確実にするためには、いくつかの方法があります。そのひとつに、非監護親との協議により養育費の額を決め、公正証書を作成することが有効です。公正証書には、養育費の支払いが停止された場合に強制執行が可能である旨を明記します。これにより、支払いが止められた場合でも、強制執行により養育費を取り立てることができます。
また、支払いが止められた場合、家庭裁判所に履行勧告や履行命令を申し立てることも有効です。履行勧告とは、家庭裁判所が支払義務者に対して養育費の支払いを促す手続きです。履行命令は、支払義務者が養育費を支払わない場合に、裁判所が強制的に支払いを命じるものです。これらの手続きを利用することで、養育費の支払いを確保することができます。
まとめ
養育費は、子どもの健全な成長を支えるために欠かせないものです。非監護親との協議や公正証書の作成、家庭裁判所での手続きを利用して、適正な額の養育費を確保しましょう。支払いが停止された場合でも、適切な手続きを踏むことで、養育費の取り立てが可能です。養育費に関する問題や疑問がある場合は、弁護士に相談することをお勧めします。
〔弁護士 馬場大祐〕