【交通事故】交通事故における示談交渉と弁護士の役割
- わたらせ法律事務所

- 9月30日
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― 桐生市、みどり市周辺地域で事故に遭われた方へ ―
交通事故は、ある日突然、誰にでも起こり得るものです。日常の中で車を運転し、あるいは歩行者として道を歩く以上、予期せぬ事故に巻き込まれる可能性は常に存在します。とくに群馬県東毛地域――桐生市、太田市、館林市、みどり市、伊勢崎市などでは、車社会ゆえの交通量の多さや、交差点での事故リスクの高さが問題となっており、地域における事故の相談も年々増加しています。
事故後にまず生じるのが、治療や修理といった物理的な対応ですが、それと並行して重要になるのが、相手方や保険会社との「示談交渉」です。今回は、交通事故における示談の意味や流れ、そして弁護士が果たす役割について、法律に不慣れな方でも分かりやすくご説明いたします。
示談交渉とは何か、なぜ慎重な対応が必要なのか
交通事故の「示談交渉」とは、事故によって生じた損害(治療費、慰謝料、修理費、休業損害など)について、当事者間で賠償の内容を話し合い、裁判によらず合意によって解決を図る手続です。示談が成立すれば、その内容に従って支払いがなされ、以後、同じ事故について改めて請求することはできません。
この点で示談交渉は、事故処理の“終着点”ともいえる重要な局面です。しかし、現実にはこの交渉が一方的になされるケースが少なくありません。特に被害者側が保険や法律に関する知識を持たず、保険会社の担当者から提示された金額をそのまま受け入れてしまう場合、本来得られるべき補償の水準を大きく下回る結果となることがあります。
交通事故実務において「自賠責基準」「任意保険基準」など、複数の賠償基準がありますが、いずれも必ずしも被害者の立場を最大限に反映したものではありません。一方で、裁判例に基づく「裁判基準(弁護士基準)」を用いれば、慰謝料や休業損害の金額が大きく増額される可能性があり、その意味でも専門的な助言を受ける意義は極めて大きいといえるでしょう。
弁護士が関与することで生まれる安心と公平
交通事故の被害者が弁護士に相談することの第一の利点は、専門的な知識と経験に基づいて、適正な賠償額を確保できる可能性が高まる点にあります。保険会社との交渉において、依頼者に代わって窓口となることで、負担を軽減するとともに、公平な土俵での対話を実現します。
また、後遺症が残る可能性のある事故では、「症状固定」の判断や「後遺障害等級認定」のための医証の取得など、医学的な観点からも高度な判断が求められます。弁護士は、必要に応じて主治医との連携や診断書の確認を行い、等級の適正な認定をサポートします。これによって、後遺障害慰謝料や逸失利益といった項目についても、より有利な評価を受けることが可能になります。
加えて、事故の相手が無保険であった場合や、過失割合をめぐって争いが生じているような複雑なケースでも、弁護士の介入によって事実関係の整理と法的主張の構築が可能となり、最終的な解決の道が開けることも少なくありません。
弁護士費用特約の活用という選択肢
交通事故に遭われた方のなかには、「弁護士に相談したいが、費用が心配だ」という声も多く聞かれます。こうした不安に対する答えの一つが、自動車保険等に付帯されている「弁護士費用特約」の存在です。
この特約は、事故の相手との間で法的な交渉や訴訟を必要とする場合、弁護士費用を保険会社が負担してくれる制度であり、保険契約者本人だけでなく、配偶者や同居の家族が被害に遭った場合にも適用されることがあります。当事務所でも、多くのご相談者がこの特約を利用し、自己負担ゼロで依頼されています。
「自分の保険に弁護士費用特約がついているか分からない」「どの範囲まで使えるのか知りたい」といった疑問も、お気軽にご相談いただければ、契約内容の確認からサポートいたします。
地域に根ざした法律事務所として
桐生市、みどり市周辺地域は、通勤や買い物の手段として車が日常生活の中心にあるエリアです。その一方で、交差点や見通しの悪い生活道路での接触事故、通学時間帯の人身事故など、地域特有の事故形態も散見されます。
弁護士法人わたらせ法律事務所では、こうした地域の交通事情に精通し、地元ならではのフットワークを活かした対応を心がけています。事故直後の初動相談から、示談交渉、後遺障害申請、訴訟対応に至るまで、地域の皆様の立場に立ち、きめ細かなサービスを提供してまいりました。
特に桐生市・太田市・館林市・みどり市・伊勢崎市など、東毛地域にお住まいの方からは、迅速な面談や現場に即した対応への評価を多くいただいております。地元密着の法律事務所だからこそできる支援がある――それが私たちの誇りです。
まとめにかえて 〜事故後の“最初の一歩”を迷わないために〜
交通事故の被害は、身体への影響だけでなく、生活全体にわたる深刻な問題を引き起こします。示談の内容次第では、その後の回復や生活再建にも差が出てくるため、「よく分からないまま話を進めてしまった」という事態は避けなければなりません。
どんなに小さな事故でも、「示談に応じてよいか迷っている」「提示された金額に納得がいかない」といった不安がある場合は、一度専門家に相談することをおすすめします。法律の力は、難しい手続のためだけにあるのではなく、“安心して暮らせる日常”を守るためにこそ、活用されるべきものです。
私たちは、交通事故でお困りの皆さまの「最初の一歩」に寄り添い、地域に根ざした安心の法的サービスをご提供してまいります。どうぞお気軽にご相談ください。
〔弁護士 馬場大祐〕