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法律コラム

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「知識へと向かった一歩――ブルゴーニュ篇」



 1987年の衝撃的な一杯との出会い以降、私はすっかりワインの虜となり、蒐集と試飲を重ねる日々を送るようになりました。しかし、振り返ってみると、当初の二、三年ほどは、体系的な知識を持たぬまま、ただ買っては飲むという繰り返しに過ぎなかったように思います。その結果、体感的には購入したワインの七割ほどが、期待に反するものでした。


 この経験から、私はワインにも「研究」が必要であることを痛感し、以後、さまざまな専門書に目を通すようになりました。余談ながら、これらの書物は、少なくとも私にとっては、法律の専門書よりもはるかに興味深いものでした。そうした読書を通じて、ワインについて次のような点が明らかになってきました。


 一つ目は、ヴィンテージ、すなわちぶどうの生産年によって、ワインの出来が大きく左右されるということです。

 二つ目は、各ワインにはそれぞれ適切な「飲み頃」の時期が存在するということです。

 三つ目は、ワインは瓶詰めされてから市場に出回るまでに、およそ三年前後を要するという点です。そのため、市場に出た直後に購入することが重要になります。流通初期の段階では比較的手頃な価格で入手できるものの、十年、二十年、三十年と時を経るうちに、価格が五十倍にまで跳ね上がることもあります。

 四つ目は、ワインを長期保存するためには、温度と湿度の管理が不可欠であるということです。理想的には摂氏十二・八度、湿度七〇パーセント程度が良いとされており、可能であれば専用の保冷庫での保存が望ましいとされています。

 そして五つ目として、フランスの二大生産地であるボルドーとブルゴーニュでは、ワインの購入にあたっての選択基準が、まったく異なるという点が挙げられます。


今回は、そのうちブルゴーニュの赤ワインについてお話ししたいと思います。ブルゴーニュの赤ワインは、ピノ・ノワールという単一品種の黒ぶどうから造られます。この地域では、同一の畑が細分化され、複数の生産者によって所有されていることが一般的です。たとえば、ル・シャンベルタンという畑も、数多くの生産者がそれぞれ小さな区画を所有しています。そのため、ブルゴーニュワインを選ぶ際には、ヴィンテージや畑の名称だけでなく、生産者の名前まで慎重に吟味する必要があります。


1990年頃のことになりますが、東京・銀座に「ミツミ」というブルゴーニュワインの専門店がありました(現在は他店に吸収され、残っていません)。私が初めてこの店を訪れた際、店主に対して、ブルゴーニュ白ワインの最高峰とされるル・モンラッシェを購入したい旨を伝えました。


 ところが、店主は、若い客がル・モンラッシェを求めることを快く思わなかったのか、私に向かって「ル・モンラッシェなんてないですよ」と、険しい表情で諌めたのです。一瞬、かっとなりましたが、私は店主に在庫のワインを見せてほしいと頼み、保冷庫へ入りました。


 そこには、評価の高い生産者のワインが数多く並んでおり、その中の一本、ポマール・リュジアンに目が留まりました。私は、このワインをどのように入手したのかを店主に尋ねました。すると店主は表情を和らげ、フランスへ買い付けに赴いた際の様子を、実に楽しそうに語ってくれました。


 二時間ほどワイン談義を交わした後、私は二、三本のワインを購入して店を後にしました。その際、店主は「先ほどは失礼しました。よくワインの勉強をされていて、ワインに対して熱心であることが分かりました」と声をかけてくれました。


 この出来事をきっかけに、私と店主は親しくなり、以後、私が店を訪れるたびに、とっておきのワインを用意してくれるようになりました。いつしか私は、彼のことを親しみを込めて「ミツミのオヤジ」と呼ぶようになっていました。商売としての効率や損得よりも、ワインそのものへの情熱を何より大切にする人物でした。振り返ってみれば、同じように実直で、少し不器用とも言えるほどワインに向き合う人々に、他のワイン専門店でも何人か出会っています。そうした出会いもまた、私のワイン遍歴を形づくった、大切な記憶の一部となっています。


 次回は、こうした経験を踏まえつつ、ブルゴーニュとは異なる成り立ちと評価軸を持つボルドーワインについてお話ししたいと思います。


〔弁護士 池末登志博〕



弁護士の馬場大祐です。弁護士として活動を始めて、気づけば10年目に入りました。この節目にあらためて思うのは、もっと気軽に、もっと早く相談できる弁護士が地元にいたほうがいいということです。中小企業を対象にした調査結果を調べてみると、顧問弁護士と契約している会社は全体の3割弱とのことでした。つまり、約7割の会社は、顧問弁護士無しか、飛び込みの相談などで日々の経営判断をしているのが現状ということになります。


顧問料の実態は様々ですが、平均は月5万円前後。顧問契約をしている多くの会社は、同じ都道府県内の弁護士と契約しているようです。そう考えると、顧問弁護士は決して都会の一部の大企業だけのものではないということがわかります。


当事務所の顧問契約は、日々の相談ボリュームに応じて、月額3万円から10万円の範囲内で、面談・電話・FAX・メールでの法律相談、契約書のチェックや内容説明、ちょっとした打ち合わせや経営判断の相談といったことを対応しています。特にこだわりがなければ、月額5万円+消費税の契約でスタートさせていただくことが多いです。訴訟対応や、代理人としての本格的な示談交渉など、通常の相談を超える案件は別途になりますが、「これ、弁護士に聞いたほうがいいかな?」という段階は、ほぼ顧問契約の範囲内です。


顧問弁護士の役割を一言で言うなら、トラブルを大きくしないための保険といえるかも知れません。契約書、労務問題、クレーム対応、社内ルールづくり……等、早い段階で専門家が関わるだけで、防げる火種は本当に多いです。特に最近は、従業員からの未払い残業代請求、取引先との契約トラブル、SNSでの風評リスクなど、初動を間違えると一気にこじれる問題が増えている印象です。顧問弁護士がいれば、まず一本電話するという選択肢が自然に持てます。


もう一つ、顧問契約の大きなメリットはスピード感です。新規相談の場合、弁護士のスケジュール次第では2〜3週間待ちになることも珍しくありません。しかし顧問先からの相談は、弁護士がスケジュールの合間を縫ってリアルタイムで対応することができます。当事務所でも、顧問先からの連絡には可能な限り即レス・即対応を心がけています。


さらに、継続的に関わることで、この会社はどんな業種で、どんな雰囲気で、どこが弱点かという前提を弁護士が理解できます。毎回ゼロから説明する必要がない分、判断もアドバイスも早く、より踏み込んだものになります。


顧問弁護士がいることで、弁護士探し→事務所への連絡→日程調整→事情説明といった地味に面倒な手間が丸ごと消えるメリットは無視できません。気がつけば、経営の相談相手として自然に弁護士が横にいる。そんな距離感が理想だと思っています。顧問契約は、何か起きたときの最終兵器ではなく、普段から使える身近な用心棒です。問題が大きくなる前に芽を摘み、結果的に時間もコストも節約できます。


私は、妻との結婚を期に群馬県桐生市にやってまいりました。地域密着を心がけ、地元・群馬の中小企業の皆さんにとって、困ったらまず声をかけられる弁護士でありたいと考えています。業種や会社規模は問いません。顧問契約に興味のある方は、お電話でお気軽にご連絡ください。地元で頑張る経営者のチャレンジを、法務面から全力で支えます。


〔弁護士 馬場大祐〕


 当事務所は、2025年12月29日(月)~2026年1月5日(月)の間、休業いたします。また2025年12月26日(金)~2026年1月5日(月)の期間、郵便物は当事務所に配達されません。

 ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 来年もどうぞよろしくお願い致します。


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